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   「岸田『大軍拡』を問う

             ~海上自衛隊呉基地『強靭化』の実態~」

                                            2023不戦のつどい  60人参加 

                                           問題提起・講演・特別報告受け議論 

       広島市長の新入職員研修講話の「教育勅語」引用問題で抗議声明も

    広島支部は12月16日、広島市中区の広島弁護士会館で「2023不戦のつどい」を開いた。「岸田『大軍拡』を問う~海上自衛隊呉基地『強靭化』の実態~」をテーマとし、呉地区平和委員会事務局長の森芳郎さんの講演などがあり、オンライン視聴者を合わせて60人が参加した。

 支部では「二度と戦争のためにペン、カメラ、マイクをとらない」決意を新たにする場として、日本が降伏文書に調印してアジア・太平洋戦争が完全終結した日にちなみ毎年9月2日前後に「つどい」を催してきたが、今回は諸般の事情から繰り延べし、初の年末開催となった。

 冒頭、開会の挨拶をした沢田正代表幹事が「本日は、奇しくも岸田政権が『安保三文書』を閣議決定してからちょうど1年になる日だが、今の日本の状況を見るとまさに『戦争前夜』と言える。もし今、東アジアで戦争が起きたら確実に第3次世界大戦になるだろう。そうなるともう地球はおしまいだ。このことを考えると、今ここに生きている我々の果たすべき役割と責任は非常に重い」と説いた。

 続いて森さんの講演に先立ち、支部幹事の難波健治さんが「安保三文書が意味するもの」と題して問題提起。国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の三つから成る安保三文書をまとめて一言で表せば「日米安保体制をまさに臨戦態勢に持っていくための指針だ」と指摘し、具体的には三つの狙いがあるとして、①日本が「戦争する国になった」と国内外に宣言する ②自衛隊を本格的に「戦力化」し、実態として戦争できる軍隊に仕立てる ③私たち国民に対して日本はもう「平和国家」ではない、「戦争国家」に変わったということを認知させる―を挙げた。

 これを受けて登壇した森さんは、安保三文書によって膨大な軍事費を投じ、推し進められようとしている敵基地攻撃能力の保有や自衛隊施設の「強靭化」計画が、地元の海自呉基地にはどのような動きとなって表れてきているかに言及した。

 それによると、国の24年度予算で防衛費は7兆7千億円余が計上され、軍備を増強する一つとして呉基地に「海上輸送群」司令部が置かれることが明らかになっている。軍事要塞化の進む南西諸島などに戦車や弾薬を運ぶための部隊を創設し、海自だけでなく、陸上、航空の自衛隊からも要員を出して100人規模で編成、25年3月に発足し、その司令部を呉に置くというもの。これに用いるため中型と小型の輸送船2隻を現在建造中で、呉基地に配備される予定だ。

 一方で、敵基地攻撃能力を行使すると相手から報復攻撃を受ける、核兵器が使われることも想定し、それに耐えうるよう全国約300の自衛隊基地や防衛省関係施設を強靭化する計画が進行しており、呉地方総監部も対象施設に入っている。23年度予算では「防災対策」の名目で20億円が計上されており、太平洋戦争の末期、当時の海軍司令部が米軍の空爆に備えて造った地下壕が残存しているのを再整備・活用することになるのではないか。

 また、敵基地攻撃には欠かせない長射程ミサイルを保管するための大型弾薬庫を35年までに全国で約130棟設置する計画もあり、呉湾内にある大麗女島がその一つ。戦時中は海軍の弾薬庫が置かれていた島で、現在も海自の弾薬庫になっているが、ここを改修してトマホークなどを保管できるようにしようということで、23年度から2年かけて調査するための2億円の予算が付いた。既に測量等の調査を請け負う業者も決まり、具体化に向けて動き出している。もう一つ、見過ごせないのが護衛艦「かが」の〝空母化〟だ。最新鋭ステルス戦闘機「F35B」の搭載を可能とするもので、既に第1次改修工事を終え、27年度までには全工事を完了し、敵基地攻撃の先兵となろうとしているという。

   こうした状況を踏まえ、森さんは「絶対に呉基地を戦争の出撃拠点にさせてはならない」と強調して話を締めくくった。

  この後、同じく支部幹事の藤元康之さんが特別報告に立ち、米国ハワイ州のパールハーバーと広島市の平和記念公園の「姉妹公園協定」が、文面に「原爆」や「戦争」の言葉がまったくないまま締結されたことの問題性を告発し、この背景に何があり、これからどんな展開になるのか、引き続き監視と調査が必要だと訴えた。

   最後に、折から報道で明らかになった広島市の松井一実市長が就任翌年の2012年以降、毎年の新規採用職員研修で戦前の「教育勅語」を引用して資料に掲載し、それを使って講話していた問題について、主催者側から提案し「松井市長の『教育勅語』を使った講話に断固抗議し今後の絶対不使用を求める」声明を参加者一同名で採択した。※声明の全文は別掲

                                                                                                                                           (2024.1.12)

 


JCJ広島支部からお知らせ

2023年度「不戦のつどい」 9月2日開催は見送り

 

  JCJ広島支部は、先の大戦で日本が連合国側と降伏文書を締結し真の意味で戦争が終結した1945年9月2日にちなみ、毎年この日前後に「不戦のつどい」を開催し、再び戦争のためにペンを、カメラを、マイクを取らない決意を新たにしてきました。それが、今やこの国は「新しい戦前」どころか「戦争前夜」と言えるような状況にあり、私たちは一層その思いを強くせざるを得ません。そんな中で、今年はどのような不戦のつどいにすべきかを支部の幹事会で話し合いました。結果、テーマとして浮かび上がったのが岸田政権が進める「敵基地攻撃能力」の保有に伴う自衛隊基地の「強靭化」計画が私たちの身近なところにある呉基地ではどうなっているかを知ろうということです。そのため、まずはジャーナリストである私たち自身が呉で実地調査や市役所、海自、住民ら関係者に対する直接取材を行って、つかんだことを報告するとともに識者を交えて議論する場を広く市民にも参加を呼び掛けて持つようにしようと考えました。

 先日、幹事会メンバーの2人が現地を訪れ予備調査をしましたが、本格的な調査、聞き取り活動は8月下旬から始めます。メンバーを数人ずつに分けて複数回行う予定ですので、例年通りに9月2日に不戦のつどいを開いてこの調査、取材の結果をまとめて報告をするのは時間的に無理と判断、今年は9月2日前後の開催を見送ることにしました。毎年の不戦のつどいに関心を寄せていただいているみなさんへのお知らせが遅くなり、お詫び申し上げますが、ご理解のほどよろしくお願いします。なお、今のところ23年度の不戦のつどいは、太平洋戦争の「開戦の日」である12月8日の開催を考えています。正式に決まりましたら改めてご案内いたします。                          (2023.8.13)

                                                                                                                                   

 JCJ広島が2023年度総会で活動方針決定

  「問い直してみよう 7広島サミットと報道」 みんなで語り合う会開く

 

 JCJ広島支部は7月1日、広島市中区のひと・まちプラザで2023年度の総会を開いた。22年度の活動報告や会計収支報告などを承認し、23年度の活動方針として 「反戦・非核」こそが広島が訴える平和の柱であるということを、これまで以上に明確に打ち出したヒロシマ・ジャーナリズムを展開する。JCJ広島としても、機関紙やホームページ、SNSなどを活用して積極的に発信するほか、市民も巻き込んだ議論の場・学びの機会をつくることに積極的に取り組む さまざまな形で「平和」を訴えてきた他の地域との連携をより一層深め、力強い発信や問題提起を行なっていく 若い世代のマスメディア従事者やフリーランス記者など、従来の媒体を超えて多様な発信に取り組む人たちとの接点を増やす。社会をよりよくするための情報発信に携わるもの同士として、情報の交換・共有などを通し、お互いの能力向上に向けた学びの場づくりなどを積極的に行うマスメディアで働く記者やフリーの記者たちとの接点を増やす。社会をよりよくするための情報発信に携わるもの同士として、情報の交換・共有などを通し、お互いの能力向上に向けた学びの場づくりなどを積極的に行うことを基本に具体的な取り組みを進めることを決定。新年度の役員を下記の通り選任した。

2023年度役員

 支部代表幹事   沢田正

 事務局長     井上俊逸

 事務局次長    藤元康之

 幹 事      太田武男、小山美砂、高瀬均、田中伸武、利元克巳、難波健治、羽原幹男、宮崎園子  宗友正利、山田圭子、山根岩男

会計監査     岡野峰夫

 

 総会終了後、「問い直してみよう 7広島サミットと報道」をテーマに「みんなで語り合う会」を開いた。前日来の大雨によってJRがストップした影響などで支部幹事会メンバー以外の人は集まらなかった。井上事務局長が進行役として「広島サミット以降の岸田政権や松井市政の動きを見ていると、このサミットがどんな意味を持つものだったかが見えてきたように思う」として、日米拡大抑止協議での核戦力「可視化」確認や米・ハワイ州のパールハーバー国立公園と広島市平和記念公園の姉妹公園協定締結を例に挙げ、「核依存のもとでの日米同盟の強化が加速している。広島サミットの検証から今後、我々が何をすべきかを考えたい」と口火を切り、難波幹事の「被爆地広島に、果たして『平和思想』はあるのか、よく『ヒロシマの心』と言われるが、それはいったい何なのか。ただ、結論として核兵器があるのはよくない、なくしていかないといけない、戦争はしてはならないとスローガン的に言っているだけではないのか。G7広島サミットについて言えば、『広島ビジョン』を批判するのに核抑止論を否定するだけでよいのか」との問題提起を受けて議論した。

 

 他のメンバーからは「平和思想と言えるかどうかはわからないが、我々より上の世代は今の世情に相当危機感を持っている。我々世代もそれを理解できる。その下の世代にどう伝えていくかが問われている。それこそジャーナリストの役割ではないか」「平和への思い、被爆の実相、ヒロシマの心という三つの言葉は松井市長が多用するが、平和記念公園周辺でさまざまに活動している人たちもよく使う。それは具体的にどういうものかと問うと答えに窮し、返ってくるのは核兵器廃絶という言葉だけ。

 戦争というものが最終的に行き着いたところが広島、長崎だったのだが、なぜ戦争が引き起こされるのか、そこに至るプロセスとか社会構造を考えることが決定的に欠落しているのではないか。おかしいことはおかしいと言えるのが『平和』な社会であり、それができないと戦争につながっていく。何かに対して否定的な意見を言うのが忌み嫌われるような現代社会では、戦争責任や原爆投下の責任を追及するような物言いは全然受け入れられない。だから、最近の松井市長の言動が示すように『ヒロシマの心』が『和解の心』にすり替えられてしまう。アメリカと和解っていいね、みんな仲良くしよう、というような誰の心もざらつかせないことがあたかも『平和』だという言説が広まっている。

 そうじゃない、ここには怒りと追及すべき課題があるんだと提起していかないといけないのに、今の広島のジャーナリズムにはほぼそういったものがなくなっている。特に若い記者たちとしゃべっているとそう感じざるを得ない」「過去に対して目をつぶる者は未来に対しても盲目であるという言葉があるが、我々は歴史をきちんと知る必要がある。平和教育に関しても、大事なのは地域の歴史を知ることだと思う。広島で過去に何があったかは子供たちが学ぶだけでなく、大人も知るべきだし、それを伝えていかないといけない。『はだしのゲン』のすごいところは、戦前の広島、もっと言えば日本社会のありさまをしっかり描いていることだ。戦争に反対した者はその家族も含めてどんな扱いを受けたのか、これほどリアルに伝えているものはゲンしかない。戦中、戦後の飢えと欠乏に苦しむ国民の姿についてもそうだ。特にメディアが戦前の検証をちゃんとやっていないのは問題だ。戦前の大手メディアで戦後、解散したところはどこもない。戦後も延長線上で継続してきたところばかりで、戦前、戦後ずっとやってきたことをきちんと検証しないままでいいのか。全体が同調するような風潮になった時に何が起きるか。おかしいことはおかしいと言えるかどうか。メディアで仕事をしている者は今、本当に問われている」といった意見が出され、議論を通じて現下の社会状況に対する危機感を共有するとともに、いま若い世代の中にも問題意識を持って行動している人たちが出てきていることに着目し、彼らとどう関わり合い、支え合うかを考え〝共闘″できるようにしながら、引き続き我々が主体的にできる活動を臆することなく展開していこうという認識で一致した。                                                                                                         (2023.8.8)


 

   田村さん   宮島の入島制限は

                     「移動の自由侵害」と訴え

        JCJ広島メンバーとともに記者会見          

 

    主要7カ国首脳会議(G7サミット)の広島開催に伴い、首脳らが訪問する宮島(廿日市市)への観光客らの立ち入りが事実上禁止される問題について、田村和之・広島大名誉教授(行政法)が日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島支部メンバーとともに5月2日、広島県庁で記者会見し「法的根拠に基づかず入島を制限するのは憲法が保障する国民の『移動の自由』を侵害するものであり、許されることではない」と訴えた。

 宮島への入島制限が行われるのはG7広島サミット開会前日の5月18日正午から20日午後2時まで。住民や通勤・通学者らには「識別証」が発行されて島の出入りが許されるが、それを持たない観光客らは原則島内へは入れなくなる。記者会見で、田村さんは「警備の必要があれば法令に基づかなくてもいかようにも国民の行動を制限できというのは法治国家では考えられない」と批判。「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」と定めた憲法22条を挙げて、この措置の問題点を具体的に指摘(論旨のレポートは別掲関連資料ファイル)した。

 同席したJCJメンバーらは、田村さんと問題意識を共有して活動している。うち2人のメンバー(廿日市市民と広島市民)はこれに先立つ4月18日、廿日市市の松本太郎市長に対し、

 ①廿日市市は、憲法が認めた以下の自由を何法により規制・制限しようとしているのでしょうか。また、どのように行うのでしょうか 

 ②「識別証」を持っていないと入島できないとするようですが、この「識別証」の発行は何法により、誰が行うのでしょうか。「識別証」は外務省が発行すると書かれていますが、この同省の権限は何法に基づいているのでしょうか

 ③「識別証」を持っていない者は、宮島フェリーに乗船させないのでしょうか。この措置は、海上運送法12条に違反しないでしょうか。「識別証」を持っていなくてもフェリーには乗れるが、宮島港で下船・入島しようとするとき、阻止されるのでしょうか。その法的根拠はあるのでしょうか。また、フェリーに乗船させたものの、宮島港で降りられないとすると、乗船契約の不履行になるのではないでしょうか―とする質問状を提出した。

 廿日市市から、同27日に「(G7サミットは)国が主催する国際会議です。 会議について定めた法律はありませんが、プログラム内容や警備方針等については国が決定し、廿日市市は訪問先の候補地として受入れのための準備を行うという役割を担っています。入島制限に関しては、外務省が宮島口側にチェックポイント(識別を行う場所) を設置し、入島管理を行うとともに、併せて保安検査が実施される予定です。 なお、家族の急病など緊急で宮島に入る必要がある場合は、チェックポイント で『一時識別証』を申請することができます」との回答を受けた。

 「国に言われたからやっているだけ」と責任を国に丸投げするばかりの呆れる対応を踏まえ、G7広島サミットの円滑な開催を官民一体で支援する「県民会議」の事務局を訪ねて担当者に説明を求めたり、外務省に法的根拠を問いただしたりしたうえで記者会見にも臨んだ。引き続き廿日市市や国に説明を求めるとともに、この問題の重大性を広く市民に訴える取り組みを続けていく。


 2023年 広島憲法集会ひらく

 5月3日(水)14:00~ 県民文化センター


    「人類は滅ぶ道を選ぶのか」

                         歴史家 田中利幸さん訴え

  「G7広島サミットを問う市民のつどい」

        キックオフ集会

 

    5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7)に向け、「G7広島サミットを問う市民のつどい」のキックオフ集会が昨年12月17日、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザで開かれた。県内の被爆者や平和・反核運動をはじめとする多様な市民団体のメンバー、宗教家、研究者らでつくる同つどい実行委員会が主催。会場には41人が集まり、オンラインでの視聴を含めると約100人が参加した(事後の録画視聴を合わせると既に450人以上が視聴している)。

 集会では「No War No G7  戦争と軍隊は最大の人権侵害・環境破壊だ」をスローガンに、広島や長野や北海道など各地の市民運動に携わるメンバーらを含む12人が発言。さまざまな観点から「G7はいらない。被爆地広島開催を黙って見過ごしてよいのか」と訴えた。その1人で、「つどい」の呼びかけ人でもある歴史家の田中利幸さんは「G7サミットと共に人類は滅ぶのか それとも、すべての生き物が生き残れる道を選ぶのか!」と題して、オンラインでスピーチ。「広島の歴史的背景と現状を鑑みて、特に問題とすべきは日本と米国との関係で、それが私たち市民の生活を、命を、いかに脅かしているのかを議論することによって、いかにG7に対抗して市民のための健全な社会を作り上げることができるのか、その道筋が見えてくるようにすることを目標にすべきだ」として、5点にわたる問題提起をした。田中さんの発言要旨は次の通り。

 

 日本は原爆による無差別大量殺戮という人道に対する罪を犯した米国の責任を追及せず、アジア侵略戦争の責任もうやむやにしている無責任な姿勢を取ってきた。「唯一の原爆被爆国」と言いながら、米国の「核抑止力」を支持するだけでなく、自国の核兵器製造能力を原発再稼働で維持し続けている日本政府の無責任さと表裏一体になっている。日米両国とも戦争責任を隠蔽することで、また多くの犠牲者の人権を徹底的に無視することで、自国の民主主義をゆがめてきた。従って、戦争責任問題と民主主義の問題は深く関連していることを忘れてはならない。

 小型核兵器の使用の危険性が、泥沼化しているロシアのウクライナ侵略戦争で高まっている。戦況が厳しい局面になれば、ロシアによる小型核兵器使用の危機がますます高まる。これまで原発への攻撃が行われてきたが、それによって原発事故が起きれば、人類を危機的状況におとしめる。人類生存のためには、核兵器と原子力の両方の使用を止めなければならない。

 戦争責任に関して言えば、「慰安婦」問題で日本の市民が政府の責任を追及する運動を通して、個々人が性別にかかわらず、平等に責任や機会を分かち合い、あらゆる物事を一緒に決めることができるようなジェンダー平等社会を作り上げる運動に寄与する必要がある。

 アジア太平洋地域で大規模戦争勃発の危険性が高まっている。岸田首相の言う「敵基地攻撃能力の向上保有」は、これも「自衛の範囲」での「反撃能力という抑止力の向上である」というメチャクチャな論理の下、米軍を含むNATO+豪軍への統合化のための戦略として、誰もが違憲と理解していながら欺瞞的に進められている政策だ。

 アジア太平洋は、核兵器を配備した臨戦体制という極めて危険な状況にあることを私たちは強く認識し、反核・反戦運動を今こそ大きく展開していく必要がある。とりわけ広島近辺には、呉港や岩国基地があり、戦争が勃発すれば、沖縄はもとより、広島を含む日本全土がウクライナを超える壊滅状態に陥ることは明らかだ。

 地球温暖化による気候危機が高まっているのも誰の目にも明らかだ。温室効果ガス放出削減を求める声が高まっている。だが、膨大な量の石油が世界各国の軍隊によって消費されていることには言及されない。中でも、米軍は世界で最も大量の石油を消費しているのだ。

 現在のロシアとウクライナ戦争のように、戦争が勃発すれば、温室効果ガス排出量は激増する。軍事活動による放出を野放しにしてはいけない。

    広島が本当に「国際平和都市」なら、こうしたことを広島から世界に向けて広く強く発信すべきだ。

                                                                                                                                (2023.1.8)


「安保3文書」の閣議決定に抗議し

 白紙撤回求める

           JCJ広島支部が声明発表          

 

    JCJ広島支部は12月26日、政府が16日に閣議決定した「安保3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)は「敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有」を明記し、そのための防衛費を大幅に増額するなど、戦後日本が維持してきた「平和国家」としてのあり方を根底から覆すものであり、しかも国民的議論も国会での審議もないままにそれが決定されたことは、内容においても手続きにおいても憲法に違反する暴挙と考え、「違憲の『安保3文書』の閣議決定に抗議し白紙撤回を求めます」とする声明(全文は別掲、関連資料ファイル)を発表した。

 声明文は、27日に広島市内の岸田文雄首相の地元事務所に届け、首相に送るよう要請した。

                                                                                         (2022.12.28)


「平和憲法の曲がり角~

    SNS時代の世論の作り方・作られ方」

          「不戦のつどい」で津田さん講演

     オンライン併用で82人参加

    JCJ広島支部は8月27日、2022年度の「不戦のつどい」を広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザを会場にオンライン方式を併用して開いた。77年前の9月2日、第2次世界大戦で日本が降伏文書に調印して戦争が終結したことにちなみ、支部では「二度と戦争のためにペンをとらない」決意を新たにする場として例年、この日前後に「つどい」を催している。今年は「平和憲法の曲がり角~SNS時代の世論の作り方・作られ方」をテーマにジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介さん(写真)が講演。会場での対面とオンラインによるリモート合わせて82人が参加した。

 冒頭、沢田正代表幹事が戦後の77年と戦前の77年の歴史を振り返り、「戦争の時代だった戦前と違い、戦後は日本国憲法の下で曲がりなりにも私たちは平和を享受してきたのだが、その基となった9条が存続の正念場にある今、メディアはいったいどんな役割を果たすべきかをみなさんとともに考えたい」と挨拶して開会した。

 続いて津田さんが演台へ。国会の衆参両院で改憲勢力が3分の2を超える状況を踏まえ、これから憲法をめぐる議論にどう向き合うべきかから切り出し、「今の憲法は素晴らしいと思っているが、より大事なのは憲法を通じて何を実現していくかを考えること。だから改憲論議自体をタブー視するのでなく、例えば衆議院の解散権は制限するなど、ここはこう変えた方がいいという前向きな議論をしていくスタンスが求められているのではないか」と説いた。

 そのうえで、インターネット雑誌のライターから始まった自身の経験を踏まえ、デジタル技術がどう社会を動かし、変えてきたかに言及。「この10年で我々の情報環境は著しく変わった。今や日本のスマホ普及率は94%に達し、ツイッターのアクティブユーザーは3人に1人の割合になり、ネット上での言動が現実の社会や政治に大きな影響を与えるようになっている。こうした現象は昨今、世界中で起きている」として、SNSでの呼びかけに応じて集まった若者のデモに端を発した「アラブの春」や米国の「オキュパイ・ウォールストリート」運動から世界に広がった格差反対デモ、日本での原発再稼働反対や安保法制反対の大規模集会とデモなどの実例を挙げて説明した。

 なかでも、日本での「保育園落ちた 日本死ね」騒動について、ある母親のブログでの一言に対しツイッターで同調の声が広がり、それを知った幼児教育の分野で著名な人が自らのブログで問題の解決策をわかりやすく提示すると、さらに共感する人が増え、国会で取り上げられるようになって政府与党も無視できなくなったという経緯を詳述。「ネットの中だけの動きでは世の中は変わらない。それを現実の社会の動きにどうつなげていくかが世論を作り出すカギになる。本日のテーマに即して言えば改憲をめぐる議論においても通じることで、これからは10年前、20年前とはまったく違った形で議論せざるをえなくなるだろう」と指摘した。

 敷衍して、この保育園の待機児童解消問題だけでなく、他にも少しずつ成功事例が生まれているとして米国ハリウッドのセクハラ問題から広がった「#MeToo」運動や国内での検察庁法改正案、入管法改正案に反対する取り組みなどを紹介。「ここから見えてくるのは、アカデミズム(学問)・ジャーナリズム・アクティビズム(社会運動)・政治の四者がそれぞれ役割分担しながら相互に連携して動く好循環を作り出していければ社会は変わるということ。この四つの領域は別々ではあるが、ジャーナリズムとアカデミズム、ジャーナリズムとアクティビズムには重なっているところがあるわけで、それがすごく大事。そこに創発や交響が生まれるからだ」と強調した。

 さらに、ネット時代になって当然ながらジャーナリズムのあり方も変わってくると付言。「ソーシャルメディアとマスメディアの役割分担が必要。ソーシャルメディアは多様な視点の提供や拡声器の役割をなす。マスメディアの記者が取材するための情報源にもなるが、これをどう使うかが問われる。一番言いたいのは、不確かな情報の検証はジャーナリストしかできないということ。新聞や本も読み、人と直接会って話し、自身で体験もするなどして真実を突き止める。それがプロの仕事だろう」と語りかけた。


   JCJ大賞に 映画「教育と愛国」

      毎日放送ディレクター 斉加尚代監督作品

  日本ジャーナリスト会議は8月31日に開かれた選考会議で、第65回となるJCJ賞ほかの賞を決定した。JCJ大賞は映画「教育と愛国」 監督 斉加尚代、JCJ賞は信濃毎日新聞「土の声を『国策民営』リニアの現場から」、東洋経済新報社「ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う」、北海道新聞社「消えた『四島返還』安倍政権 日ロ交渉2800日を追う」、北海道放送「ネアンデルタール人は核の夢を見るか〜“核のゴミ”と科学と民主主義」に決まった。JCJ特別賞は、沖縄タイムス琉球新報社が受賞した。

 JCJ大賞を受賞した映画「教育と愛国」は、大阪の教育現場を取材してきた斉加尚代ディレクターが、2017年にMBS(毎日放送)で放送した作品に追加取材をして再構成したドキュメンタリー映画。5月の公開から2か月で、2万7千人が映画館に足を運んだ。

 贈呈式は9月24日(土)東京・全水道会館で開かれる。             (22.9.5)


 8月27日(土)に「不戦のつどい」

       津田大介さん語る! 

「平和憲法の曲がり角~SNS時代の世論の作り方・作られ方」

 広島支部の恒例行事「不戦のつどい」を今年は8月27日(土)午後1時半から、広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザ(まちづくり市民交流プラザ)で開催します。当支部では、先の大戦で日本が降伏文書に調印した1945年9月2日にちなんで、毎年この日前後に「二度と戦争のためにペンをとらない」誓いを新たにするためのつどいを開催しています。今年は1週間前倒しし、ジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介さんによる「平和憲法の曲がり角~SNS時代の世論の作り方・作られ方」と題する講演をメーンにプログラムを組みました。誰でも何でも発信できるSNS時代、選挙戦の風景は大きく様変わりし、マスメディアの政治報道のあり方も問われています。7月の参院選では改憲勢力が国会の3分の2を上回る結果となり、平和国家・日本の背骨となってきた日本国憲法は岐路に立っています。これからの憲法論議の中で、世論形成に大きく影響するメディアやジャーナリズムはどんな役割を果たすべきなのか、平和都市・広島発の問題提起や発信に求めるものは何かをSNSの第一人者、津田さんに語ってもらいます。詳細は下記の案内チラシをご覧ください。Zoomによるオンライン併用で行いますので、遠隔地からのリモート参加も可能です。参加を希望される方はチラシに記載の要領で申し込んでください。                                                                                                            (22.8.16)


 市の方針に疑問・批判相次ぐ

       広島市の図書館など移転を考えるつどい

 全国的に図書館などの公共施設を統廃合する動きが強まっている中、広島市の中央図書館、こども図書館、映像文化ライブラリーの移転・建て替え問題を考えるつどいが6月20日、広島市青少年センターで開かれ、オンラインを含めて45人が参加した。

 つどいでは、主催団体の一つ広島自治労連執行委員長の大内理枝さんが「このあたりは広島の文化を伝えていく上ではとても大事な地域。市民の意見も聞かず、広島駅前のエールエール館に移転するということを市が言ってきている。市が目指す方向は国が公共施設の再編成計画に示されており、統廃合して規模を縮小、国からの補助金を受けたいのだ。広島だけでなく、日本全国で行われようとしている」と事業を拙速に進める姿勢を批判。「広島の文化をどう考え、市民に学んでいただくような場所を提供しようとしているのか、今の広島市は考えていない」とし、住民のための文化を皆んなで考えたいとあいさつした。

 弁護士の石口俊一さん【写真】は「エールエール館で大丈夫なのだろうか。地震が多発している中で危機管理は大丈夫なのか」と問題提起。現在地は広島を学ぶ立地性の良さを指摘。市民参加で議論することで、上から決めることではないと強調した。また、映像文化ライブラリーについては「広島のことを発信するのであれば地域性を考えないまま計画するのは理解できない」と話した。

 続いて広島市文化財団職員労働組合の鈴木洋美さんが「子どもが安心して来られる場所なのか」、さらに「図書館は自立した市民をつくる。誰でも使いやすい図書館であってほしい」。映像文化ライブラリーは「集めなきゃいけない映画があり、文化をないがしろにして、形だけを整えて大丈夫なのかなと思う」と語った。

 この後、質疑応答に入り、「行政トップがどんな姿勢なのか。中央図書館はどんな機能をするのか。広大な土地を市民のためにどうやって使うのか」「図書館の理念を市民が共有して、情報文化を伝える場であり、民主主義の根幹だ。市民が声を挙げ行動しなくてはいけない」などの声が出た。

 映像文化ライブラリーについては「ウクライナを描いた『ひまわり』のように映画は時代を越える。年間5万人が利用。今の場所で世界中の人が楽しめるイメージをつくっていきましょう」と呼び掛けもあった。 

 広島市議の近松里子さんは「移転ありきの方針が批判されてきた。市は市民の声を聞かない」と力を込め、市として審議会をつくらないと明言したことにも批判が出た。

 最後に文団連事務局長の亀岡恭二さんが「図書館は街の顔。国際平和文化都市広島と図書館は切り離せない。市民の合意が必要」と話した。

                                  (22.6.30)


      JCJ広島が2022年度総会で活動方針決定

「ウクライナとヒロシマとをつなぐ平和運動とは?       ジャーナリズムとは?」

      ハチドリ舎の安彦さんゲストに、みんなで語り合う会開く

 

 広島支部は5月28日、広島市中区のアステールプラザで2022年度の総会を開いた。支部の会員13人が出席。21年度の支部全体の活動報告及びメンバーが中心的役割を担っている関係団体の主な取り組みの総括を承認したのに続き、①ウクライナをはじめ、世界各地で起きている現実の「戦争」に対して、広島に何ができるのか。何をするべきか。それを思考するきっかけとなる、そして現実に起こっている殺戮や核兵器による脅しをやめさせることに貢献するヒロシマ発のジャーナリズムのあるべき姿を模索する②広島が訴える平和とは何なのか。核兵器廃絶問題のみを訴える視野狭窄から脱却し、各種社会課題との交差性に着目し、日常の生活、足元の暮らしに引きつけて多角的な議論のきっかけづくりをする③マスメディアで働く記者やフリーの記者たちとの接点を増やす。社会をよりよくするための情報発信に携わるもの同士として、情報の交換・共有などを通し、お互いの能力向上に向けた学びの場づくりなどを積極的に行う―とした22年度方針を決め、新年度の役員を下記の通り選任した(運営規則改正で副代表幹事を削除)。

▼2022年度役員

 支部代表幹事   沢田正

 事務局長     井上俊逸

 事務局次長     藤元康之

 幹 事       太田武男、高瀬均、田中伸武、利元克巳、難波健治、羽原幹男、宮崎園子、

                                     宗友正利、山田圭子、山根岩男

    会計監査      岡野峰夫

 

 総会終了後、例年の市民にも公開しての記念講演会の開催を今年度は取り止め、会員とメディア関係者だけに呼びかけて「ウクライナとヒロシマをつなぐ平和運動とは?ジャーナリズムとは?」をテーマに語り合う会を開いた。このテーマでジャーナリストらがどんな議論をするか、取材を兼ねて訪れた地元の崇徳高校新聞部の5人(顧問教諭を含む)と合わせ26人が参加。ゲストスピーカーの「Social Book Cafe ハチドリ舎」オーナーの安彦恵里香さんから、「ヒロシマに来た人とヒロシマにいる人が出会い、語り合い、学ぶ場」としてハチドリ舎を開設したいきさつや、ここを拠点とした「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(略称・カクワカ広島)の活動などについての話を聞き、広島の市民運動・平和運動やメディアのヒロシマ報道もしくは広島発のジャーナリズムの現状を問う議論を展開した。                                                                           (22.6.27)


ドーム前で「ウクライナ戦争反対」集会

若者有権者の会(カクワカ)呼びかけ 

    ロシア軍のウクライナ侵略が続き、ブチャやボロジャンカなどで多数の市民が虐殺される中、「戦争反対」を呼び掛ける集会「平和の祈りを世界へ」が4月10日、広島市中区の原爆ドーム前で開かれ、市民や被爆者ら750人が参加した。

 集会の企画・呼び掛けをしたカクワカ広島(核政策を知りたい広島若者有権者の会)共同代表の田中美穂さんが「声を挙げることは素晴らしいことだと思っています。ウクライナではデモをすることが禁止になっています。私たちは今こそ広島から戦争反対・核兵器反対の声を挙げていかなければいけないと思います」とあいさつ。

    続いて広島県被団協理事長の簑牧智之さんが「被爆地ヒロシマで原爆ドームを囲んでの決起集会が世界のニュースととらえられたら、私たちの目的は達成された」と語り、もう一つの広島県被団協理事長の佐久間邦彦さんは「一番大事なのは命です。命を大事にしない戦争は絶対してはならない。一緒に声を挙げていきましょう」と訴えた。

 母がウクライナ出身の平石幸一さんは「みんなで戦争を止めよう」と呼び掛け、ANT―Hiroshima代表の渡部朋子さんは「核と人類は共存できない。世界中の子どもたちを守りたい。この地に眠る被爆者の魂の声です。岸田首相は核兵器禁止条約に批准してください」と訴えた。

    カクワカ広島は集会の様子を英語とロシア語の字幕を付けて、近くSNSなどで発信する。                                                   (22.4.12)

【2社への申し入れ書】

 

株式会社中国新聞社 

  代表取締役社長 岡畠鉄也様  編集責任者様

株式会社 ちゅピCOM 

  代表取締役社長 浅井幹夫様  編成責任者様

 

          申し入れ書

                             2022年2月28日

                      日本ジャーナリスト会議広島支部

                            代表幹事 沢田正

 

 貴紙は、2022年2月5日付「セレクト」1~2面において、自民党衆院議員新谷正義氏へのインタビュー記事を「川島宏治のプラス1」欄で大きく報じました。同氏が先の総選挙で当選し、自民党の役職に就任したことを機に取り上げたとし、氏が抱負を語るとともに政権の政策実現に力を発揮したとする内容になっています。

 

 首長や閣僚など行政機関の長でもなく、このコーナーにこれまで登場しなかった一政党の役員議員を、なぜこのように大きく掲載されるのでしょうか。他の各政党役員等も今後は公平に取り上げられるのでしょうか。

 

 同氏が自民党の要職に就いたことでインタビューするのであれば、貴紙が本紙で追及を続けている河井買収事件について党本部の説明責任を問う絶好の機会であり、きちんと質問し、応答を紹介すべきと考えますが、ここでは全く触れられていません。読者はその答えこそ期待して記事を読んだと思います。私どもには、失望した、新聞としては恥ずかしくないのかという感想が寄せられています。

 

 また、この記事は、貴社グループの放送局ちゅピCOMの番組と連動しており、政治的公平の確保を求める放送法にそぐわないものです。同放送局は広島市や周辺町が出資する第三セクターであり、政治的公平は厳しく問われます。かつては、同じグループ放送局のFMちゅーピーでも「岸田文雄(※現首相)」名を冠した番組をレギュラー放送(紙面でも広告宣伝)していました。放送局のこうした番組づくりは不偏不党、政治的公平の理念を損なうと考えざるをえません。

 

 私たちは、社是に「公器」を掲げ、社章に「中立不偏」を図案化している貴社およびグループ放送局に、より公正な報道を求めます。民主的な社会の実現と地方政治の活性化のために報道の責任を果たされるよう、さらなる努力を求めます。

                               以上                                

 

 ※この件についての連絡先は、日本ジャーナリスト会議広島支部 事務局 井上

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

         [参考]  放送法(抜粋)

第二章 放送番組の編集等に関する通則

(放送番組編集の自由)

第三条 放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。

(国内放送等の放送番組の編集等)

第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。

一 公安及び善良な風俗を害しないこと。

二 政治的に公平であること。

三 報道は事実をまげないですること。

四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

 

ウクライナへの侵略に抗議

ヒロシマ総がかり行動

    市民団体「戦争させない・9条壊すな!ヒロシマ総がかり行動実行委員会」は3月3日、広島市中区でロシアのウクライナ侵略に抗議する「3の日」行動を行い、60人が参加した。

 メンバーは「プーチンは侵略やめよ」「ウクライナに平和を」などと書かれた横断幕を掲げて道行く人たちにアピール。マイクを握った川后和幸共同代表は「核兵器禁止条約が発効して1年。現在、何かあれば核兵器を使うぞというあからさまで壮大なでっち上げが起きている。黙って見ているわけにはいかない」と訴えに力を込めた。

 金子哲夫さんは「ウクライナの母親、子どもたちの声を聞く度に、胸をふさがれる思い」と明かし、さらに「日本の政治家の中には、日本に核兵器を持ち込もうという発言が出てきた」と指摘し、被爆地ヒロシマにとって「断じて許せないことだ」と批判した。

 最後に石口俊一弁護士が「憲法前文には政府の行為によって再び戦争の惨禍は起こさないと書かれ、これを止めるのは国民の力だとうたっている。戦争はノーという声を上げていきましょう」と呼び掛けた。                                   

                      (22.3.5)


    今年のJCJ賞決まる 

  大賞は外国人労働者問題に切り込んだ2作品

    第64回目となる今年のJCJ賞は、8月31日開催の選考委員会で大賞2点を含む計5点のJCJ賞と特別賞が決定した。大賞は新聞部門の信濃毎日新聞「5色(いついろ)のメビウス」、出版部門の平野雄吾「ルポ入管」(ちくま新書)の2点に贈られた。2つの作品は「外国人労働者問題」の現状に鋭く切り込んだ取材が評価された。

 JCJ賞は、菅首相の学術会議人事介入スクープ(しんぶん赤旗)、福島原発事故とその後を描いたNHK-ETVの「原発事故『最悪のシナリオ』」。そして、元従軍慰安婦が戦後初めて名乗り出たことを報じ、櫻井よしこらから「捏造記者」と攻撃されながら、「私は捏造記者ではない」と立ち上がった植村隆・元朝日新聞記者の闘いを追ったドキュメンタリー映画「標的」(西崎真司監督)が選ばれた。

 また、政府の教科書検定や教育基本法改悪などと闘い続け、今年6月逝去された故俵義文氏に特別賞が贈られた。                    

                        (21.10.2)

 

「黒い雨」判決シンポ   

オンラインで開催

 

 

 

 広島支部「不戦のつどい」に125人参加

     広島支部は9月4日、2021年度の「不戦のつどい」をオンライン方式で開いた。76年前の9月2日、第2次世界大戦で日本が降伏文書に調印して戦争が終結したことにちなみ、支部では「二度と戦争のためにペンを、カメラをとらない」決意を新たにする場として毎年、このころにつどいを催している。今年は「7・14広島高裁『黒い雨』判決が問いかけるもの」をテーマとしたシンポジウムという形で実施し、海外を含め県内外から125人が参加した。

 冒頭、沢田正代表幹事がつどい開催の趣旨や今回のシンポの目的に触れながら挨拶して開会。「黒い雨」訴訟の原告の一人で、支援する会事務局長の高東征二さんが昨年の広島地裁での全面勝訴に続いて高裁でも被爆者援護のうえで画期的な判決を勝ち取ったことを報告し、「40年以上の運動によって国に内部被曝を認めさせるところまで追い込んだ。これまでどれだけ多くの人が病気だらけの人生を強いられ虚しく死んでいったことか。この犠牲への反省なしには先へ進むことはできない。生きて、生きて、核なき世界が実現するまで生き続けたい」と、喜びとともに今後も闘い続ける決意を表した。

 

 続いて、「黒い雨」県連絡協事務局長の牧野一見さん、この訴訟弁護団事務局長の竹森雅泰弁護士、毎日新聞の小山美砂記者、広島大学名誉教授(平和研)の大瀧慈さんがそれぞれの立場で基調報告をした後、広島市立大学教授の湯浅正恵さんがファシリテーターとなり、参加者の質問に答える形でこの判決の意義と今後の課題について議論を展開した。

 その中で牧野さんは、「黒い雨」の対象地域拡大を求めて始まり、裁判に訴えて一審、二審と勝利判決を得るまで40年を超えた長い闘いの経緯を報告。竹森さんは、2015年に集団提訴をしてから審理を通して主張してきた論点を解説したうえで、この高裁判決の意義について「今回の原告となったみなさんは、大雨区域外と11障害を伴う疾病の発症を要件とするという二重の意味での差別を受けてきたが、判決はその二重の差別をすべて取っ払って、黒い雨の被爆者をまさにいわゆる被爆者と扱うべきだと判断した」と強調した。また、福島原発ひろしま訴訟原告団長の渡部美和さんからの問いかけに答え、「放射性物質を体内に取り込めば健康に影響を及ぼすというのは原爆であっても原発であっても違いはない。そのことは裁判を通じて、あるいは以前からの研究によって明らかになっている。今後、福島原発事故の被害者にも原爆の『被爆者健康手帳』のような制度をつくっていく必要がある」と指摘した。

 小山さんは、初任地の広島で「黒い雨」取材に携わるようになったきっかけから切り出し、黒い雨の「区域外」とされる現場やそこに住む「被爆者」の取材を重ねる中で「放射線の被害は直接・間接はもちろん、区域による線引きはできない」と強く思い知るに至ったことを明かした。大瀧さんは、放射線による健康被害のメカニズム、中でも放射線量と健康影響との関係性についてさまざまなデータや研究結果等の分析によって科学的に解明。「原爆投下によって大量の放射性微粒子が周囲にまき散らされ、上空にも巻き上げられ黒い雨となって広範囲に降り注ぎ、相当遠くにいた不特定多数の人に影響を与えたということ」と論及した。

 締めくくりに、つどいの協賛団体である広島憲法会議の石口俊一弁護士が「被爆者援護法は基本的に対象者を広く救済するというのが方針であり、それを高裁が認めた判決が確定した意義はとても大きい。菅首相が上告をやめて原告以外の同様の事情にある方も救済を検討すると言ったのが政府の本意だとすれば、本日のシンポは国が率先してやるべきことであって、その対象をもっと広げていくというのが国の責任である」と述べて閉会した。

 【写真】つどいを伝えるYOUTUBE画面より。広島支部難波健治副代表幹事が進行を務めた。                                 (21.9.20) 

政権交代目指す 

     ~市民連合集会に

              205人が参加~

 広島1・2・3・5区の市民連合は7月24日、広島市中区のアステールプラザで「市民と野党の力で政権交代を実現する広島集会」を開催。4月の参院再選挙で勝利した宮口治子さんが国会報告、県内立憲4野党と衆院予定候補が総選挙に向けた決意表明、205人の市民が参加した。

 広島1区にも7月、市民連合をめざす市民アクションが誕生し、4団体共催で初めて開く集会。冒頭に、2区市民連合呼びかけ人でもあった「ズッコケ3人組」作者の那須正幹さん逝去を悼んで全員黙とう。主催者を代表して山田延廣弁護士があいさつした。山田弁護士は、市民と野党が共同すれば勝てると参院再選挙で明らかになったが、選挙のためだけの共同ではなく、次の世代のために政治をどう変えるのかを示し、政治を変えるために野党は共闘してほしい。腐敗と堕落の政治を市民と野党の共同で変えよう、と訴えた。 

 宮口治子さんは、当選後初めて市民連合の集会に出席して国会報告。初登院のエピソードに続き、河井疑惑100人の被買収者が全員不起訴という異常な検察決定を含め、表面的な改善では事態は変えられない、多くの生きづらさを無くすためにも政治と政権の交代が必要と報告。参加者からは「この人を当選させて良かったと実感できた」との感想が聞かれました。

 各区の市民連合からは「こんな政治を実現しよう」という問題提起があり、「市民アクション」が発足した1区からは、爆心地の選挙区・ヒロシマ1区から「核兵器禁止条約に署名・批准する国会議員」を送りだすことは広島の政治責任、2区からは国際水準にはるかに遅れた日本のジェンダー問題を数値を上げて具体的に紹介したうえで、こんな政治を根っこから変えようと訴えた。

 3区からは、3区市民連合があったから「河井疑惑をただす会」が生まれ、河井夫妻を辞任に追い込む大きな市民運動を作ることができた。被買収者100人、買収資金1億5000万円拠出問題など、政治の腐敗をただす運動をさらに広げようと提起。5区からは、自衛隊呉基地を含む選挙区だからこそ「戦争する国づくり」に抗し、憲法改悪を許さず、憲法を活かす声をあげる責務がある。政治と政権を変えようと訴えました。

 集会には県内4野党代表として、立憲民主党の福知基弘幹事長、日本共産党の村上昭二県委員長、社会民主党の檀上正光県代表、新社会党の三木郁子委員長が訴え、衆院予定候補6人が壇上に並んで決意表明、参加できなかった4人の予定候補からもメッセージが寄せられた。

 最後に「政権交代を実現する力は野党共闘に、市民と野党の共同にある」「県内すべての小選挙区に市民連合をつくる」、市民の力、各野党の努力、候補者の健闘の「3つの力」を結集して勝利しよう、「政権交代を実現しよう」という集会アピールを採択した。                                                                                                                                                                                                                                              (21.8.16)

広島1区に市民連合を

 「市民アクション」結成

   被爆地ヒロシマ1区に「市民連合」をーの呼びかけで7月17日、「変わろう!HIROSHIMA・1区市民アクション」が結成された。

 中区で開催された集会では、広島大学名誉教授の田村和之さんが「広島市平和推進基本条例とヒロシマ」と題して記念講演。田村さんは条例について「とんでもない条例」と厳しく批判、「平和都市の看板を引きずり降ろそうとするもので、平和都市広島の自己否定にあたり、平和を大義名分としつつ、思想(内心)の自由、表現の自由を規制するものだ」と指摘した。

 条例では、「平和都市」という文言が使われておらず、「平和都市」と位置づけていない。これは、日本国憲法が「平和都市」の基本にあることを認めず、否定する思想であり、被爆者の救済・援護の視点が欠落している。被爆者救済は国の責任で行うものであり、広島市の責任ではないという発想があるのではないか。核兵器禁止条約については、原案起草グループが書き込むことに反対したが、各派幹事長会議で書き加えられた。

 田村さんは、条例全体を通して、「平和」についての定義が狭く、平和記念式典はこれまで、「慰霊」する式典とし「厳粛」に行われるべきとしてきたが、この表現は広島市議会の右翼的な議員が主導して制定したものだと背景を語った。

 今後については、条例を徹底的に批判し、実効化させない取り組みが求められ、将来的には抜本的に改正すべきと強調した。

 この後、立憲野党のあいさつやメッセージが読み上げられ、2・3・5区市民連合からの連帯あいさつがあった。 

 写真は、講演する田村和之さん。                                                           (21.8.5)

 JCJ広島が2021年度総会で

 活動方針決定

    宮崎さんが「ヒロシマの現在地」と題し記念講演

 広島支部は7月18日、広島市中区のひと・まちプラザで2021年度の総会を開いた。総会には支部の会員14人が出席。20年度の活動報告及び主な取り組みの総括、決算報告を承認し、①広島における市民運動の「プラットフォーム」の一つとして、運動をサポートする情報発信機能を一層強化する ②マスメディアで働く記者やフリーの記者たちとの接点を増やし、情報の交換・共有などを通し、お互いの能力向上に向けた学びの場づくりなどを積極的に行う ③菅政権のデジタル改革推進政策に対し、人権と民主主義を守り発展させる立場から監視を強めよう―とした21年度方針を決めた。次いで、2021年度の役員を選任。最後に、特別決議として「旭川医大で取材中の北海道新聞記者の不当逮捕に断固抗議する」との声明を参加者一同の名で採択しました(声明全文は別ページ「関連資料ファイル」参照)

▼2021年度役員(*は新任)

 支部代表幹事   沢田正

 副代表幹事    利元克巳、難波健治

 事務局長     井上俊逸

 事務局次長    藤元康之

 幹 事      太田武男、高瀬均、田中伸武、羽原幹男、*宮崎園子、宗友正利、山田圭子、

                                    山根岩男

   会計監査      岡野峰夫

 

 総会終了後、記念講演に移り、朝日新聞を退社したばかりの宮崎園子さんが「ヒロシマの現在地―ひと、まち、そしてメディア」と題し、広島市平和推進基本条例の制定過程を通して見えてきた行政や市民意識、その中でのマスメディアのありようなどの問題点について、自身が退社に至った思いを交えながら語った。一般市民や在広の新聞、テレビなどの現役記者らも含めて60人が耳を傾けた。                                                                                                                                        (21.7.21)


命より五輪が大切なのか

総がかり「3の日」行動

 ヒロシマ総がかり行動は7月3日、「コロナ禍の東京五輪は中止せよ」をテーマに「3の日行動」の街宣を広島市本通り電停前で行った。

 はじめに、総がかり行動の川后和幸共同代表が「東京ではコロナ感染者がじわじわと増え続けている。こんな状況で五輪を開催すれば、一気に増えるのではないかという不安を多くの人が持っているのではないか」と五輪中止を呼び掛けた。

 元看護師の鍵浦清子さん(写真)は「命より五輪が大切なのだろうか。IOC、菅政権、組織委員会は五輪を強行しようとしている。五輪開催が医療のひっ迫を招き、医療の現場では病床の削減が続き、1月から5月まで新型コロナウイルスに感染して自宅で死亡した人は119人いる。適切な医療を受ければ助かったかもしれない命だ。五輪招致時の予算は7340億円。現在1兆4440億円。2倍強に膨れあがっている。このお金は命と暮らしを守るために使ってほしい」と訴えた。

 また、総がかり行動世話人の金子哲夫さんは「菅首相にはコロナ患者を増やしてしまった謝罪もなく、責任感もない。国民の命と暮らしを最優先する政治を広島から訴えていきたい」と強調した。

                                   (21.7.14)


 <お知らせ>

 JCJ広島、

 「広島ジャーナリスト通信」を   立ち上げ

 JCJ広島支部は2021年1月から、より機動的な通信・交流メディアとして「広島ジャーナリスト通信」を立ち上げました。URLは次の通りです。どうぞご覧ください

            https://note.com/jcj_hiroshima

 


「日本政府は断固とした対応を」

 JCJ ミャンマー軍の日本人記者拘束で声明

 

 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は4月21日、ミャンマー軍の日本人記者拘束に抗議し、断固たる対応を日本政府に求める声明を発表した。以下、声明全文。

 

 ミャンマーで取材中の北角裕樹氏が4月18日夜、軍・治安当局によって逮捕・拘束された。

 国軍による残虐な弾圧とそれに対する民衆の不屈の抵抗を報道してきた北角氏に対し、当局は「偽情報を流布した」という根拠のない罪名をかぶせて氏をインセイン刑務所に監禁した。この行為は、武力クーデターを起こしたミャンマー軍が真実の報道をどれほど恐れているかを示したものである。氏は日本経済新聞社を退社後フリー・ジャーナリストとしてミャンマーの取材を行なってきた。2月末にも一時拘束されたがその後もSNSを通じて「国軍側の悪辣さ」を発信し続けてきた。

 ユネスコによれば2月1日のクーデター後、71人のジャーナリストが不法に逮捕され、半数以上がいまだに拘束されたままとなっている。ドイツの通信社記者は3月に13日間拘留の後、国外退去となった。だが訴追・有罪となれば禁錮3年となる可能性もある。

 国内のメディアに対する免許取り消しや記者拘束は今も続く。主要な新聞は3月17日までに発行が止まった。ネットによる情報も遮断されたが、軍による過酷な弾圧を記録した動画はすでに世界中に流出した。国民が職場を放棄する不服従運動のなか、殺された市民は18日までに737人にのぼっている。

 ミャンマー軍は2007年9月にも取材中の映像ジャーナリスト長井健司氏(50)を至近距離から銃撃して殺害している。

 こうした不法行為はミャンマーの内部問題ではなく、人権と民主主義、報道の自由が蹂躙されるという点で明白な国際問題となっている。日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、ミャンマーの国軍・治安当局が行った北角氏逮捕に強く抗議するとともに、氏を直ちに釈放するよう求めるものである。

 菅義偉首相は19日、北角さん拘束問題に対して「現地大使館で全力で事実関係を確認中だ。邦人保護には万全を尽くす」と、通り一遍の発言を行なった。ミャンマー国軍とは政治的にも経済的にもつながりの深い日本がいつまでも傍観者でいてよいはずはない。ミャンマーの民主化を逆行させないためにも、北角氏の生命の安全のためにも、日本政府がただちに国軍に対する断固とした行動を開始するよう要求する。

 

                        2021年4月21日 日本ジャーナリスト会議


日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)

応募・推薦スタート

 年間の優れたジャーナリズム活動に贈られる日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)の募集が始まった。新聞・出版は2021年5月21日(金)、放送・その他の作品は5月28日(金)が提出期限で、応募は自薦または他薦、対象は提出期限までの1年以内に発表された作品(連載の場合は同期間に発表された作品)となっている。

 提出先     〒101-0061  東京都千代田区神田三崎町3-10-15 富士ビル501号

                 日本ジャーナリスト会議「JCJ賞」応募作品係

   問い合わせ先  電話 03-6272-9781 (月・水・金 ー 13:00~17:00) 

         FAX 03-6272-9782      

                                    (21.4.20)


市民の声が届く政治を

 宮口さん、参院再選挙で呼びかけ

 「市民の声が届く政治を取り戻しましょう」―やり直し参院選挙を前にした4月3日、立憲野党統一候補に決まった無所属新人の宮口治子さん(45)が、「ヒロシマ総がかり行動実行委員会」の定例街頭宣伝行動に参加し、市民を前に力強く決意を表明した。

 宮口さんが街頭に立つ初めての舞台とあって、この日はテレビ局のカメラが並び報道陣も多数が取材に駆けつけ、約130人の支援者らも顔を見せて関心の高さを見せた。

 宮口さんは、少し緊張した面持ちで「障害を持つ子どもの母親だが、コロナ禍で弱者がみんな苦しめられている。県民の役に立ちたい。どうか選挙に行って皆さんの気持ちを示してください」と決意表明し、政治を変えるチャンスに一人でも多くが投票行動で意思を示してほしいと訴えた。

 「河井疑惑をただす会」の特別ゲストとして来広した郷原信郎弁護士が「河井大買収事件は自民党の内紛が生んだ事件。自民党に候補を立てる資格はない。宮口さんを全力で支援しよう」と呼びかけた。

 この日の街宣では「I(アイ)女性会議」の貴田月見さん、3区市民連合の山田延廣代表、総がかり行動共同代表の石川幸枝さんらが立ち、コロナ禍で一向に市民に目を向けない自公暴政を批判、「広島から日本を変えるために、宮口さんを国会に送ろう」と呼びかけた。                     (21.4.7)


フクシマを忘れない!

さようなら原発ヒロシマ集会開く

 東日本大震災とそれに伴う東電福島第1原発事故から10年。広島市中区の原爆ドーム前では、広島県原水禁などでつくる実行委員会が「フクシマを忘れない!さようなら原発ヒロシマ集会」を開き、250人が参加した。

 集会では原発事故被害者団体連絡会事務局の大河原さきさんの福島からの訴えが代読された。この中で「高濃度の大量の放射能汚染水はタンクにたまり続け、政府は海洋放出の方針を決定しようとしているが、県内の農林水産業の組合が反対し、全国漁連も断固反対を表明している。県内市町村議会の実に70%が反対または慎重な対応を求める意見書を提出、市民団体の抗議も行われている」と指摘。さらに「福島県が今年1月末に発表した県内外への避難者数は3万6千人だが、実際はその倍の7万人に上ると推測される。国も福島県も、放射能汚染が続く福島を証明する存在である避難者を切り捨てようとしている。避難者の権利は、原発事故の加害者である国が守るべき」と訴えている。そして「核被害のない世界の実現と被害者の人権を守る活動を続けていきます」と結んでいる。

 この後、福島から広島に避難している福島原発ひろしま訴訟原告団長の渡部美和さんが相次ぐ原発再稼働について「避難してきた私たちも残った人たちも心を報われることのない現実をどうしても変えたいと思ってこの裁判に臨んでいます」と訴えた。

 最後に「再び福島原発事故のような惨事を起こさぬために原発ゼロを目指す。コロナ禍での緊急事態宣言と原子力緊急事態宣言という2重の困難を抱えているフクシマを私たちは決して忘れない」とのアピールを採択した。 

 【写真】さようなら原発集会で訴える渡部美和さん      

                              (21.3.15)


日本の署名・批准を!

核禁条約発効できのこ会

   核兵器禁止条約が発効した1月22日、原爆小頭症被爆者と家族らでつくる「きのこ会」は会長の長岡義夫さん(71)らが広島市役所で会見し、日本政府に条約への署名と批准を求める会長名のメッセージを発表、首相と衆参両院議長、主要政党、広島県選出国会議員(公選法違反に問われた河井夫妻を除く)に要望書として送付した。

    きのこ会は「核兵器廃絶と恒久平和」を目的の一つに掲げているが、「被爆者が障害のある子を産む」との偏見や差別に苦しめられてきた会員や家族は、これまで表立った活動から距離を置いてきた。

    しかし、原爆を憎み核兵器廃絶を願う会員の気持ちはひときわ強く、核兵器廃絶へ向けて画期的な禁止条約の発効にあたって会としてメッセージを出すことになった。

    原爆小頭症は妊娠早期の母親の胎内で原爆の強力な放射線を浴びたことで頭が小さく知的障害、内臓疾患などさまざまな障害を持って生まれる原爆後障害。メッセージは「核兵器は戦場から最も遠いはずの母親の胎内で芽生えた小さな命をも傷つける」と指摘。簡単な計算ができず買物も不自由な小頭症の兄から「わしが原爆にあわんかったらどうなったと思う」と聞かれて答えに困った体験を述べて、原爆小頭症の子どもと家族の悲劇を繰り返さないために条約が実効性を伴うものとなることを願うと訴えている。

    国が認定している原爆小頭症の被爆者は20年3月末で17人。うち広島の一人が10月に亡くなった。きのこ会の小頭症会員は今年1月1日現在で15人。

 【写真】会見する長岡義夫会長と小頭症被爆者の川下ヒロエさん

  ※「要望書」全文、および1月22日の記者会見の詳報は、このHP「関連資料ファイル」に掲載

                                                                                                                               (21.2.14) 


被服支廠保存テーマに

文団連が平和とうろう集会

 

   広島文団連主催の「平和とうろう集会」が8月1日、広島市で開かれた。「とうろう集会」は今年が37回目。「旧陸軍被服支廠~これまでとこれから」をテーマとし、旧被服支廠が戦時中、および被爆時に果たした役割や建物の特徴などを学び、今後の保存をどう進めるかを考える場となった。講演は「旧陸軍被服支廠の保全を願う懇談会」事務局長の内藤達郎さんと崇徳高校新聞部3年の高垣慶太さん。

 内藤さんが事務局長を務める「懇談会」は9年前に結成された。広島県が昨年末に打ち出した「1棟保存、2棟解体」(あと1棟は国所有)をきっかけに、会には多くの問い合わせがあり、様々な運動が始まっている。保存後の活用についての意見や提案もあり、南ドイツ新聞など外国メディアの取材もある。

 内藤さんによれば、旧被服廠はレンガ造りと思われているが、実は「鉄筋コンクリート・レンガ張り」が正しく、建築史上極めて珍しい建物だと言う。2014年には「ひろしまたてものがたり」の30の建物の一つ選ばれ、同フェスタで見学会も行われるようになった。また4年前、NHKBSのドラマ「赤レンガ」の舞台となり、全国的にも注目を浴びた。解体に反対する署名は全国で1万人を超している。

 昨年、広島県のパブリックコメントには2232人が応じ、その62%が解体反対で、県の思惑を超える結果となった。また、調査を担当したのが県の「県有地販売促進グループ」ということにも驚いたという。内藤さんは、「解体慎重」に代わって来ているように見える県議会などに働きかけ、全棟保全に向けて力を合わせたいと述べました。内藤さんの講演に続き、高垣慶太さんが「ヒロシマを未来に伝えたい」と若者の立場から、被爆の継承、メディアのあり方などについて考えを述べました。

 【写真】航空写真を示しながら説明する内藤達郎さん

                                   (20.8.20)


JCJ広島 新年度へ

代表幹事に山田、沢田さん

 

 広島支部は7月4日、広島市中区のアステールプラザで2020年度の支部総会を開きました。

 総会には支部の会員15人が参加。2019年度の活動報告・総括、決算報告を承認し、2020年度方針、予算案を承認、支部運営規則改正案が承認しました。また、2020年度の役員を選出しました。

▼2020年度役員(*は新任)

支部代表幹事  山田圭子、*沢田正

副代表幹事   利元克巳、難波健治

事務局長   *井上俊逸

事務局次長  *藤元康之

幹 事     太田武男、北村めぐみ、小松正幸、高瀬均、田中伸武、羽原幹男、宗友正利、山根岩男

会計監査   *岡野峰夫

 

 総会後、記念講演に移り、宇城昇毎日新聞広島支局長が「被爆75年とヒロシマ報道」と題して講演、市民を含む51人が耳を傾けました。

                                    (20.7.13)


5・3憲法スピーチを 

 Youtube発信

広島総がかり実行委員会

 憲法記念日の5月3日、ヒロシマ総がかり行動実行委員会は、「5・3憲法スピーチ ヒロシマ2020」を、Youtubeで全国に発信した。14個人と2団体が、国民不在、憲法無視で行われる安倍政権の新型コロナウイルス対策や便乗して進む「緊急事態条項」など憲法改悪の策動に警鐘をならし、いまこそ憲法の原点に立ち返った政治が必要と訴えた。
 例年は憲法会を開いているが、コロナ対策の「緊急事態宣言」が発せられ、外出自粛が求められるなかで、今回の企画が浮上。広島市だけでなく、呉、三原、府中、三次各市からもスマホで撮影したスピーチ動画がネットを利用するなどして届いた。コロナが終息し早く日常の活動が戻ることを期待するとともに、今後もSNSを活用した取り組みを進めていくという。
 企画、撮影、編集、発信など、JCJ広島支部会員が協力した。番組は3部構成、発言者とURLは以下の通り。(敬称略)

【パート1】      https://youtu.be/fo2FzQLdGbA
  ①藤元康之  ヒロシマ総がかり行動事務局
  ②石川幸枝  ヒロシマ総がかり行動共同代表 保育園常務理事
  ③金子哲夫  ヒロシマ総がかり行動世話人 元衆議院議員
  ④友川千寿美 シネマ・キャラバンV.A.G
  ⑤岡西清隆  総がかり行動呉地域協議会
  ⑥森眞理子  新日本婦人の会広島県本部会長
  ⑦新田真一  安倍9条改憲NO!広島県北行動 三次市議 元小学校教員

 

 【パート2】        https://youtu.be/njf7cWhDbzA
  ⑧山田延廣  ヒロシマ総がかり行動共同代表 弁護士
  ⑨土屋みどり スクラムユニオン・ひろしま書記長
  ⑩高井二千六 三原憲法朗読会(戦争をさせない三原市民行動参加)
  ⑪恩地いづみ 第2次別姓訴訟ひろしま原告
  ⑫宇田賀一之 安保法制に反対する府中市民の会 フリーランスのダブルワーカー
  ⑬山根岩男  河井疑惑をただす会事務局長
  ⑭石口俊一  ヒロシマ総がかり行動共同代表 弁護士

 

 【パート3】  https://youtu.be/MODS7NPFt68
  ⑮広島県民主医療機関連合
  ⑯広島県商工団体連合会


コロナ利用の改憲論議促進NO!

 日本ジャーナリスト会議は4月11日、政府が7日に発表した「緊急事態宣言」に関連し、コロナ禍を利用した改憲論議、報道の自由侵害などに反対する声明を発表した。

 

      「緊急事態宣言」は報道の自由を侵害
                             2020年4月11日
                             日本ジャーナリスト会議

 

 安倍政権が4月7日、新型コロナウイルスの急速な拡大に対し「緊急事態宣言」を発令した。これは先月成立した「新型コロナ特措法」に基づくもので、東京、大阪、福岡など7都府県を対象に、5月6日まで実施される。

 安倍首相は7日の衆院議運委で「今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえつつ、国会の憲法審査会の場において活発な議論が展開されることを期待する」と述べ、「緊急事態条項」を憲法に新設する改憲の議論を呼びかけた。私たちは、国民的な医療危機に便乗した、姑息な首相の企みは許さない。

 テレビは、この「緊急事態宣言」をどう報道したか。NHKと民放キー局は予定されていた番組を変更して一斉に安倍首相の緊急会見を伝え、全局横並びの異例な特別番組編成となった。特にNHKは、午後4時50分から11時過ぎまで、6時間を超える事実上「緊急事態宣言」一色のニュースを放送した。「ニュースウオッチ9」には安倍首相が生出演したが、改憲意図などに関する質問はなく、首相の主張をそのまま伝える結果となった。

 新型コロナ特措法第2条6項で、NHKは「指定公共機関」となっている。緊急事態が発令されると、首相は「特に必要があると認める」時は「指定公共機関に必要な指示をすることができる」としている。今回、首相がNHKに指示を出したとは考え難いが、NHKの破格の報道は政権の意向を先取りしたものと見ざるを得ない。
 
 報道機関を権力の支配下に置き、独立と自由を奪いかねない条項は、ジャーナリズムを死に追いやる。私たちは、「言論・報道の自由」「国民の知る権利」を侵害する改正特措法第2条6項「指定公共機関」から、「日本放送協会その他の公共的機関」を削除することを求める。併せてテレビは、緊急事態宣言について権力の乱用が無いか、人権侵害が無いか等について、核心に迫る取材を貫いてほしい。                                 (20.4.11)


経営委の番組介入など抗議

NHKを考える会が広島局に

 

 NHKを考える広島の会は2月27日、NHK広島放送局を訪れ公共放送としての使命を果たすよう次の通り、申し入れを行った。


①新会長・前田晃伸氏と新経営委員長・森下俊三氏の就任に抗議
 前田氏は元みずほFG会長であり、5代続く財界人登用で安倍首相を囲む「四季の会」参加者である。森下氏は2015年に経営委員になり18年から委員長代行に。かんぽ生命保険不正販売問題のNHK報道をめぐり、石原前委員長と「会長への厳重注意」を進め、放送法32条に違反した。

 森下氏は3月5日の衆院総務委員会で、経営委の会合で番組への意見を述べたと証言。「放送の中身は話していない」との従来の説明を翻した。また不正販売情報をネットで集めた手法について「作り方に問題」があると批判している。放送法は、NHKの最高意思決定機関である経営委が、個別の番組に介入することを禁じている。経営委が特定の番組について意見や感想を執行部に伝えることが問題。
 森下氏や石原前委員長の他にも、番組内容に批判的な発言などをした委員が数人いたことも報道されている。経営委員12人のうち9人が任期継続で、NHKを考える会がこれまで辞任を求めてきた長谷川三千子氏も再任された。これでは政府から独立した公正な経営は望めない。「考える会」は経営委員選任など放送行政改革に、政権から独立した独立行政機関の開設を求めている。
② 繰り返すな「大本営発表」報道、「安倍チャンネル」化の危険な結果の自覚を  
 黒川弘務東京高検検事長の定年延長を検察庁法に反して閣議決定したのは,、極めて異常な措置であることを多くの報道機関が指摘しており、国会論戦で再三にわたり質疑が行われたが、NHKの「ニュース7」「ニュースウオッチ9」は、この問題を取り上げていない。司法、行政、立法の三権が正常に働いてこその民主主義だ。権力の動きを監視する報道の使命を果たしてもらいたい。
③ 視聴率重視の民放並み「番組宣伝」はNHKに不要。内容充実優先を
受信料収入に依拠する以上、宣伝ではなく番組批判に耳を傾けるべき。番宣は時間つぶし。数多くの優れたドュメントや特集番組がありながら、「慰安婦」問題や「森友・加計学園」疑惑はなぜか登場しない。
 また、年末の「紅白歌合戦」の新聞広告はやめること、広告の掲載紙とそれぞれの広告費を明らかにしてほしい。
④ 批判や抗議に対し、真摯な対応を

 NHKの政治報道への批判が、全国で集会や抗議デモを含め広がっている。NHKを考える会などによる抗議や申し入れが中央・地方で相次いでいるが、申し入れに対する態度は、公共放送にあるまじきもの。ただ聞きおくだけで「上に伝えます」という形だけの対応を繰り返し、文書による回答からも真摯に応える姿勢は全く見られない。受信料で成り立つ公共放送としてのNHKらしく、責任者が出席して視聴者である市民と真剣にやりとりを。
⑤ 国民の「知る権利」に応え、マスメディアは忖度せず、公平・公正な報道を(放送法第4条)
⑥ 表現の自由を求めた「憲法21条」を守ること
                                   (20.3.18)   


議場で自衛隊・高校生が合同演奏

呉鎮守府130年記念事業

   12月9日、「呉鎮守府開庁130周年記念事業」、「開かれた議会をめざして」として、自衛隊音楽隊が参加する「議場コンサート」が呉市議会で行われた。議場の登壇席の周りには、海上自衛隊呉音楽隊と呉市立呉高校吹奏楽部の生徒が入り交じって並び、市民約150人を前に、「宇宙戦艦ヤマト」や「パプリカ」など7曲が演奏された。
    議場での演奏に先立ち、呉市役所玄関前では市民35人が「議場コンサート反対!」「呉市を軍都に戻すな」「議会に軍楽隊は不用」「呉市を平和な街に!」などのプラカードを掲げ、マイクで反対の理由や思いを、通行する市民や市役所関係者に訴えた。【写真】反対の市民が危惧していた「軍艦マーチ」など「軍歌」はなかった。
    民主主義と地方自治の要である市議会の議場で、実力組織である自衛隊の音楽隊が演奏するというのは全国で初めて。反対する市民は「言論の場に『武力』は似つかわしくない」、「高校生が懸命に演奏し、市民が拍手して聞き入るという光景は、何とも言い難い」と話していた。
   呉平和市民連絡会は、今回の取り組みについて振り返り、今後の進め方を検討する予定だ。(O)

                                                                                                                                          (19.12.12)


マッチの灯りが

闇の深さを教えてくれる!

 

永田さん「安倍とメディア」を

明快に語る

 「加熱する嫌韓報道 なぜ萎縮?政治報道」をテーマに「安倍政権とメディア」を考える市民の集いが12月7日、広島市西区で開かれ市民110人が参加した。「HKを考える広島の会、日本ジャーナリスト会議広島支部、広島マスコミ九条の会、が主催した。
 集いでは武蔵大教授の永田浩三さん【写真】が「伝える責任、伝えない罪」と題して講演。「ドキュメンタリーは声を上げられない人のためにあり、資料は必ず眠っている」とし、「歴史は民衆の手で動く」と強調。
 「桜を見る会」の疑惑では田村智子議員のクリ-ンヒットにメディアが連動し、NHKのスクープはホテルニューオータニの会費が最低でも11000円で、5000円では公選法違反の買収の疑いがある。また安倍昭恵さんが深く絡んでいたことも分かってきた。招かれていた人たちの中には、ネットでの工作員がたくさん混じっていた。安倍首相の応援団としてのネット宣伝工作隊が野党に対してネガティブキャンペーンを繰り広げている。 
 一方、安倍政権の旗振り役としてのNHKニュースでは、前川喜平さんの覚悟の告発インタビューを報道局長と政治部から圧力があり、お蔵入りにしたままと語った。また、かんぽ不正を暴いた番組をめぐり、NHKの最高意思決定機関である経営委が会長に厳重注意の圧力をかけたのは放送の独立性を侵すと批判した。
 あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」では「平和の少女像」の前で生まれたさまざまな会話があり、10月8日から14日まで再開が実現した。たくさんの人たちの努力と連帯があり、メディアもそれを支えた。 永田さんは「健全で豊かな言論・表現空間をつくることに努力すべきであり、一本のマッチの灯りが周辺の闇の深さを教えてくれる。芸術とは少数派の小さな声、カナリアのような存在だ」と訴えた。(M)                               (19.12.10)



ジャーナリズムの突破力

「憲法のつどい」 安田純平さん語る

 「憲法のつどい・ヒロシマ2019」が11月1日、広島県民文化センターホールで開かれ、立ち見も出る550人が参加した。「戦争させない・9条壊すな!ヒロシマ総がかり行動実行委員会」の秋葉忠利共同代表(前広島市長)が開会挨拶した後、シリアで武装勢力に40か月拘束されたジャーナリスト安田純平さん【写真】が「ジャーナリズムの突破力」と題して記念講演。 

 安倍政権が憲法改正草案に盛り込んでいる非常事態条項の危険性や、テロリストとレジスタンスは何が違うのか、戦場取材をしなければ真実が伝えられないなどと語った。 

 最後に「改憲発議を阻止することに全力を上げ、来る衆院選で改憲勢力を打ち破るよう奮闘します」との集会アピールを採択。共同代表の一人である川后和幸さんが閉会挨拶し、参加者全員が「止めよう!改憲」のプラスターを高く掲げて、決意を新たにした。

                                    (19.11.9)


以下は2018年関係資料



白井聡さんの「国体論」を聞く 

不戦のつどいに140人が参加

 9月2日、広島平和記念館でJCJ広島支部主催の第42回不戦のつどいが開かれた。今年の講師は京都精華大学専任講師の白井聡さんで、「平成の終わりと『戦後の国体』終焉」と題し、約2時間にわたって熱弁をふるった。

 このつどいには141人が参加した。

                                                          (18.9.4)